ここ数年、サウナ愛好家(サウナー)によって広まった「ととのう」という状態。
サウナにおいては、水風呂や外気浴(休憩)を繰り返しながら入浴することによって得られる、深いリラックス感やまったりとした陶酔感を意味しています。
これは「サウナ」に限ったことではありません。
ちょっとした工夫で、日常生活のあらゆる場面で味わえるものです。
たとえば五感にアプローチするのも、暮らしをととのえるひとつの方法だと、わたしは考えています。
そこで今回は、五感をととのえることで得られる5つのメリットをご紹介します。
毎日の暮らしの中で、ほんの少し五感を意識するだけで、いつもの日常がいつも以上に心地よく感じられるかもしれません。
ぜひ、あなたらしい方法を「ととのう暮らし」のヒントとして取り入れてみてくださいね。
五感とは?

五感とは、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」といった5つの知覚のことです。
わたしたちは、この五感を通して色や文字を認識したり、音や声を聴き分けたり、香りや味を楽しんだり、肌で冷たさや温かさを感じたりして過ごしています。
とはいえ、常に五感を意識しながら生活している人は少ないかもしれません。
それでも、季節感や空気感、高揚感、安堵感、爽快感などに直結する、とても身近な感覚です。
このように暮らしを営むことと切り離せないテーマだからこそ、その働きを「ライフスタイル」という視点から改めて考えていきましょう。
五感をととのえると暮らしがととのう理由

五感を意識することで、暮らしを心地よくととのえるきっかけになります。
なぜなら五感は、わたしたちが外の世界を感じ取る大切な感覚だからです。
たとえば、ホラー映画を観ると体が緊張しますし、ヒーリング音楽を聴くと心が落ち着きます。
もちろん「感覚」なので、感じ方は人それぞれです。
それでも、五感によって心や体を「ご機嫌」にできるものは、わたしたちに「ととのう」を感じさせてくれます。
「すっきり」
「うっとり」
「ほっこり」
このように、五感をととのえることで、リラックスした気持ちになれたり、リフレッシュで気分転換できたりすることがあります。
だからといって、暮らしをととのえるために特別なことを始める必要はありません。
いつもの暮らしの中で、五感を満たすことを少しだけ意識してみる。
それだけでも、いつもの暮らしの中に「心地よくととのう時間」が少しずつ増えていくかもしれません。
五感をととのえることで得られる5つのメリット

ここでは、五感をととのえることで得られるメリットについて紹介します。
- 心や体の変化に気づきやすくなる
- 暮らしの中に「余白」が生まれる
- 季節の移り変わりを実感できる
- ストレスを切り替えやすくなる
- 幸福感や自己肯定感が得られる
これらのメリットを日常的に実感できるよう、それぞれのポイントをヒントにしてくださいね。
心や体の変化に気づきやすくなる
仕事や家事、育児などで朝から晩まで忙しくしていると、つい自分のことが後回しになりがちです。
なんとなく疲れていることや、少し頑張り過ぎていることに気づかないまま、毎日を繰り返してしまうこともあります。
ですが、五感に意識を向けるようになると、それまで見過ごしていたことに気づけるようになります。
たとえば、車に乗っていたときは目にとまらなかった景色が、徒歩になっただけで目に入るというようなものです。
季節の風や花の香り、音楽のグルーヴや旬の食事のおいしさなども同じで、それまで気にも留めなかったことが鮮やかに感じられるようになります。
五感を意識することは、暮らしのスピードを、ほんの少しゆるめること。
そうすると、「今日は少し疲れているな」「今日はゆっくりしたいな」と、心や体の小さな変化にも気づきやすくなるのです。
暮らしの中に「余白」が生まれる
いまはスマートフォンひとつで仕事も余暇も取り入れられる便利な時代ですから、一日中、情報を追ったり、時間に追われたりといった状態かもしれません。
メールをチェックしながら食事をしたり、動画を観ながら家事をしたり。
もちろん、そのような習慣が悪いわけではありません。
ただ、五感を意識するようになると、「いま、この時間」を味わえるようになります。
コーヒーの香りを楽しんだり、空に浮かぶ雲や月を眺めたり、鳥や虫の声に耳を澄ませたり。
そんな、「いま」だけに身を委ねる時間が、暮らしをゆたかにする「余白」になっていくのです。
ストレスを切り替えやすくなる
仕事や家事、育児、習い事、家族やペットのお世話など、毎日のルーティンにだけ時間を割いていると、気づかないうちにストレスが溜まることもあります。
もし「なんだか疲れたな」「イライラしてるかも」などと感じたら、ちょっと五感を刺激して気分をリセットしてみるのもひとつの方法です。
海辺のリゾートを感じるようなサーフミュージックを流す。
爽やかな香りがするシトラス系のバスソルトを入れてお風呂に入る。
いつもより、ほんの少し贅沢なスイーツを買ってティータイムを楽しむ。
このように特別なことでなくても、「いま、この気分を変えよう」という小さなスイッチを入れるだけ。
ささやかでも非日常を感じられるだけで、気持ちがふっと軽くなったり、パッと前向きになれたりすることがあります。
季節の移り変わりを実感できる
春の花の美しさ。
夏の空の高さ。
秋の味覚のおいしさ。
冬の空気の冷たさ。
季節の移ろいは、五感があるからこそ実感できるものでもあります。
慌ただしい毎日でも、暮らしの中に季節感を取り入れるだけで日常に趣が漂います。
食はもちろん、音楽や映像、装飾、香りなど、さまざまな方法で、その季節ならではの楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。
季節を感じる時間が増えるほど、毎日の暮らしにも自然と彩りが生まれていきます。
幸福感や自己肯定感が得られる
五感をととのえるのは、なにか特別な成果を目指すことではありません。
寝る前に音楽を聴いたら、ぐっすり眠れた。
今朝、自分で淹れたお茶がおいしかった。
山に登ったら、悩んでいたことを忘れた。
五感を意識して過ごすことは、自分にとっての「よかった」を見つけることでもあります。
たとえ小さな「よかった」でも、それが積み重なると幸福感や自己肯定感につながっていくのです。
暮らしの中で使える五感のととのえ方

五感をととのえることには、さまざまなメリットがあります。
そのメリットを暮らしの中で得られるように、ここでは五感のととのえ方を日常的なシーン別で紹介します。
朝|一日の始まりをゆっくりと
朝は、眠っていた感覚をゆっくり目覚めさせる時間です。
無理やりスタートモードに切り替えるのではなく、一日の始まりと調和するような過ごし方がおすすめです。
取り入れたいこと
- カーテンを開けて自然光を取り込む(視覚)
- 白湯や温かいノンカフェインティーを飲む(味覚・触覚)
- 静かな音楽やスローテンポのラジオを流す(聴覚)
- 窓から換気をして朝の空気を深呼吸する(嗅覚)
- きめ細かい泡を立ててやさしく洗顔する(触覚)
昼|ときどき気分をリセットする
やるべきことに集中しすぎると、気持ちが張り詰めてしまうことがあります。
昼食や休憩、お手洗いなどのタイミングで、ときどき気分をリセットしてみましょう。
取り入れたいこと
- デスクやテーブルを片付ける(視覚)
- ミントや柑橘系の香りをかぐ(嗅覚)
- 炭酸水や酸味のあるドリンクを飲む(味覚)
- 冷たい水で手首から先を冷やす(触覚)
- アップテンポな音楽を聴く(聴覚)
夜|一日の終わりをゆったりと
夜は、頑張った自分をゆるめる時間です。
強い刺激を避け、ほっとできる工夫でおうち時間を心地よくしましょう。
取り入れたいこと
- 間接照明で部屋をやさしく照らす(視覚)
- ヒーリングミュージックや環境音を流す(聴覚)
- ラベンダーやウッド系アロマを楽しむ(嗅覚)
- 薄めの明かりをつけてゆっくり入浴する(触覚)
- 肌ざわりのよいパジャマを着る(触覚)
食事|食べる時間にこだわる
食事における味覚は、いくつもの五感が組み合わさってこそ感じられるものです。
いつもの食事時間を、ちょっとした演出で贅沢なひとときにしてみましょう。
取り入れたいこと
- 器や盛り付けで映えさせる(視覚)
- 香りのいい食材を使う(嗅覚)
- 歯ごたえや食感を楽しむ(触覚・味覚)
- その季節の旬を取り入れる(味覚)
- スローテンポの音楽を流す(聴覚)
休日|その日の気分を大切にする
休日だからといって、どこかに出かけたり、なにか企画を立てたりしないといけないわけではありません。
その日の自分が心や体で求めていることに応えるだけでも、有意義な一日にできます。
取り入れたいこと
- 植物や自然の風景を眺める(視覚)
- カフェミュージックを流す(聴覚)
- 好きな香りのキャンドルやアロマを楽しむ(嗅覚)
- 季節のスイーツや果物を味わう(味覚)
- 温泉やサウナへ行ったり、おうちスパを満喫したり(触覚)
仕事|オンとオフを切り替える
在宅ワークでもオフィスワークでも、オンとオフを切り替えると仕事がはかどります。
「○時までに」「あと○時間は」と「時間」にばかり意識を向けず、キリのいいタイミングで稼働時間に変化をもたせましょう。
取り入れたいこと
- 空や海、山など外の景色を眺める(視覚)
- 爽やかな香りのアロマを取り入れる(嗅覚)
- 集中しやすい作業用BGMを流す(聴覚)
- お気に入りのスイーツやドリンクを楽しむ(味覚)
- 癒しグッズやマッサージグッズで体をほぐす(触覚)
五感をととのえながら暮らしをととのえよう

五感をととのえるといっても、すべてを一度に満たす必要はありません。
好きな音楽に身を委ねてみる。
季節の野菜や果物を味わってみる。
その日の気分で香りを楽しむ。
いまできることから気軽に取り入れて、無理なく続けることがポイントです。
五感は、暮らしの営みと切り離せないもの。
だからこそ、少し意識を向けるだけで、いつもの暮らしに新しい感覚が生まれます。
暮らしをととのえることは、自分を律することではなく、リラックスやリフレッシュで自分をご機嫌にすること。
五感への意識的なアプローチで、あなたの暮らしが心地よく「ととのう」きっかけになりますように。


